
戦争と人間 第二部 「愛と悲しみの山河」
そんな中、五代家の次男・俊介(北大路欣也)は人妻・温子(佐久間良子)との恋に走り、次女・順子(吉永小百合)の愛する耕平(山本圭)は反戦運動に身を投じていく。俊介は、自由で民主主義的な社会への不満を次第に募らせ、軍に接近を謀ろうとする伍代家に対しても苛立ちと怒りを感じ始めていた。
もちろん日本軍部や財閥の謀略といった闇の要素の描出にも怠りはなく、一貫して戦後反権力の作品を撮り続けながら、一方ではメロドラマにも才覚を見せていたこの巨匠の資質が大いに醸し出されたものに仕上がっている。今回はさまざまな者たちの愛に焦点が当てられ、それが激動の流れの中でいかに狂わされていくかが情感豊かに描かれていく。
満州国を建国してアジア侵略を進める日本軍部と抗日パルチザンの戦闘が激化していく中、伍代財閥は大規模なアヘン密売に手を染めていた。『白い巨塔』で知られる山本薩夫監督が、五味川純平の原作を壮大なスケールで映画化した「戦争と人間」3部作の第2部。

